こんにちは、ところてんです!
(*‘ω‘ *)
つい先日、ようやくSC-88Proのコンデンサを交換しましたので、その際の内容を記事として纏めました。
交換するまでの経緯について
ちょいと前にSC-88Proの購入してたんですよね。
その時点では、一応動作は問題なかったので、基板洗浄+電池交換で済ませていました。
ただ、動作に問題無かったんですけど、いかんせん、20年以上前の製品でもあるし、コンデンサの交換とか、半田割れチェックとか実施しておくか、という気になったという訳です。
作業にあたり
既に非常に有益な情報を公開頂いている「ごはんたべよ」様のサイトを参考に、自身なりに解釈し、コンデンサやら工具等を用意しました。
コンデンサの購入
よーし、パパ頑張ってコンデンサ買ってきちゃうぞ!
(=゚ω゚)ノ
といっても、近所のコンビニとかホームセンター、家電量販店にコンデンサは売っていない・・・
(・´з`・)
コンデンサ購入する場合、秋葉原などの特定の地域に出かけるのが手っ取り早いんですけど、自宅からチト遠いので、通販サイトの「Digi-Key」を利用する事にしました。
選定コンデンサは「ごはんたべよ」様の情報をベースに、売り切れだった製品については、代替品を購入しました。
基板名 | 新しい コンデンサ | メーカー | 個数 | 容量 μF | 電圧 V | 外径 mm | 高さ mm |
---|---|---|---|---|---|---|---|
デジタル | UCL1C100MCL1GS | ニチコン | 6 | 10 | 16 | 4.00mm | 5.80mm |
デジタル | UCL1C101MCL1GS | ニチコン | 2 | 100 | 16 | 6.30mm | 5.80mm |
アナログ | EKMG500ELL1R0ME11D | 日本ケミコン | 1 | 1 | 50 | 5.00mm | 12.50mm |
アナログ | UKT1C330MDD | ニチコン | 29 | 33 | 16 | 5.00mm | 11.00mm |
アナログ | EKMG160ELL101ME11D | 日本ケミコン | 10 | 100 | 16 | 5.00mm | 12.50mm |
アナログ | 25YXJ1000M10X20 | ルビコン | 2 | 1000 | 25 | 10.00mm | 22.00mm |
アナログ | EKYB160ELL332MK25S | 日本ケミコン | 1 | 3300 | 16 | 12.50mm | 26.50mm |
※2021/10/17更新
※以前記載していた「EEU-FR1E102」は、低インピーダンス品で、三端子レギュレータに近い部品だったため「 25YXJ1000M10X20」に変更(後日、部品交換)しました。
なお、こちらが購入したDigi-Keyのカートのリンクです。
ただ、ここ最近はコンデンサの在庫量が少ないようで、入手性が悪化しています。
購入コンデンサの容量チェックについて
Digi-Keyからコンデンサが届きました!
(*‘∀‘)
コンデンサ交換前の前作業として、購入コンデンサが壊れていないかチェックしました。
※基本的には大丈夫だと思っていますが、作業前にチェックする事で、余計なトラブルを防ぐため。

今回使ったのは、三和電気計器製の「CD732」。
この製品は、直流、交流、抵抗、コンデンサ容量等、様々な測定が可能なマルチテスターで、今回のコンデンサの全種類に対応(最大4000μFまで)なので、こいつで事足りました。
今回は、全てのコンデンサに問題が無かったので、作業を続行しました。
基板の取り外し
前回も記載しているので簡潔に書くと、本体カバーを外した後、コネクタを引き抜きます。


オレンジ色のコネクタは「SS-10」などのコネクタ抜き、白色のコネクタは左右のレバーを精密マイナスドライバー等で上に持ち上げます。
オレンジ色のコネクタは固いので、取り外しに気を使います・・・
(;´Д`)
白色のコネクタは特に力は不要ですが、配線とかコネクタは替えが効かないので慎重に。
※白色コネクタは、PCエンジンのCD-ROM2にも同じような部品があるので、それに慣れている人はOK!
え、CD-ROM2を修理した事無いって?
いつか修理する事もあるかもよ!
( ゚Д゚)
基板を取り外した後、デジタル基板についているボタン電池(CR2032)も取り外しておきます。
コンデンサ交換について
デジタル基板
デジタル基板側のコンデンサは「両面実装」となっています。
取り外し方ですが、「ハンダごて」を2つ使い、左右のハンダを同時に温めて取り外します。
(赤枠の箇所(ハンダ付けされている箇所)を同時に温めて、ハンダが溶けたのを目視確認したら、箸で持ち上げるようにすればカンタンに外れます。)

※写真は、コンデンサ交換後のものとなります。
古いコンデンサを取り外したら、古いハンダを吸取り機、吸取り線等を使ってキレイにします。
新しいコンデンサを取り付ける際は、片側に予備ハンダを盛り、ピンセットで新しいコンデンサを位置取り、ハンダを溶かして仮固定、もう片側にハンダを盛る+溶かす、もう片側(仮固定した側)にハンダを盛る+溶かして固定します。
※言葉で書くと、ややこしくなりますね。(文章力が無いとも言うw)
(;´Д`)
本件の作業について、既に有益な動画がありますので、その動画を見ながら学習されると良いと思います。
動画はチップコンデンサの取り付けですが、両面実装のコンデンサも同じ方法で取り付け出来ます。
(私も同じ方法で取り付けしました。)
アナログ基板
アナログ基板側のコンデンサは、全てラジアルリード品です。
コンデンサは足を曲げて外れないようになっている(クリンチ)されているので、
まず、古いコンデンサについているハンダを溶かし、ハンダ吸取り機、ハンダ吸い取り線等で除去。
その後、ハンダごてを基板の(コンデンサが刺さってる)穴に当て、ハンダが溶けている事を確認したら、基板の反対側からコンデンサの片側(ハンダごてを当ててる穴側)を引き抜き、もう片方側も同様にハンダを溶かしてコンデンサを引き抜きました。
アナログ基板側は、コンデンサの数が43個と多く、取り外しが面倒です・・・
(;´Д`)
あと、大型のコンデンサ(1000μF、3300μF)には、コンデンサと基板の間に接着剤のようなものが付着しています。

キレイに取り外すには、ヒートガンで熱して、根気強く剥がしていきます。
(結構、強固にこびりついており、キレイに剥がすのに時間が掛かりました)

個人的には、この接着剤をキレイに剥がすのが、一番タイヘンでした・・・
(;´Д`)
接着剤とコンデンサを取り外した後、軽く基板を洗浄(ヤニが残ってたのでフラックスクリーナーで除去)後、コンデンサを仮止め(穴に指してクリンチ)します。
一通りコンデンサを仮止めした後、コンデンサの取り付け(容量、極性)に問題が無いかチェック。

万一問題があっても、ハンダ取り付け前なら修正は容易なので、入念にチェックしました。
※なお、チェックした結果、コンデンサの付け忘れがありました(汗)
(;^ω^)
以下は、正しく取り付けした際の画像となりますw

チェック後は、ハンダで固定、テスター(CD732)で疎通チェックを実施、疎通できていることを確認。
疎通確認後は、ハンダ付け替え(※外部接合部のみ)を実施。
※パッと見、疎通チェックで問題無かったのですが、リア部(外部接続端子)については、物理的に力の掛かる箇所だったので、念のためハンダを付け替えました。
最後に、外した基板を元に戻して完成です!
(=゚ω゚)ノ
動作チェック
SC-8Proにはテストモードが備わっています。
テストモードは、以下の手順です。
- リア部のスイッチを「MIDI」に移動する。(※1)
- フロント部(右側)の「KEY SHIFT」(<、>)を同時押しした状態で、電源をON。
- 起動ロゴが流れている間にフロント部(左側)の「PREVIEW」(※VOLUMEつまみ)を押す。
※1:Serialテスト時は「Mac」に移動する。・・・が、筆者は未実施です。
テストモードに入ったら、「1.LCD & LED Test」「2.Memory Test」「3.Switch Test」「4.MIDI Battery Test」までを実施、問題ない事を確認しました。
※それ以外にもテスト項目は存在しますが、特別な機器が必要になるので未実施です。

最後に、適当なMIDIファイルを再生させてみて、ウットリできれば(聞こえてくる音に問題が無ければ)完了です。
(*’ω’*)
まとめ
交換後にMIDI再生させたら、今までと同じように良い音色を奏でてくれて満足です!
(*‘∀‘)
SC-88Proの修理について、既に詳細、かつ、有益な情報が上がっていたので、大変参考になりました。
この場を借りて御礼申し上げます。
<(_ _)>
コメント